松戸の官公署と手続き

従業員が退職するときには手続きが必要となる場合があります。

分かりにくい退職(死亡退職は除きます。)に関する手続きのポイントを、松戸市を例に説明しています。

 

会社側の手続き

1 退職までの事務

(1)退職事由の確認

① 自己都合の場合・・・「退職届」を提出してもらいます。

② 契約期間満了の場合・・・30日前予告が必要な場合があります。

③ 解雇の場合・・・労働基準法の制約を受けます。

 

(2)返却

年金手帳や雇用保険被保険者証など、預かっている書類がある場合は本人へ返却します。

 

(3)回収

健康保険証を本人から回収します。

もし紛失等により回収できない場合は、「健康保険被保険者資格喪失届」を松戸年金事務所(又は健康保険組合)へ提出する際に返不能に該当者の人数を記載します。

 

(4)離職票の確認

退職者が雇用保険の給付を受ける場合は、離職票を本人へ交付します。

よって離職票の交付が必要かどうかを本人に確認しておきます。

 

(5)退職後の連絡先

退職後に連絡先が変わる場合は、事前に確認しておきます。

 

2 退職時の給与計算

(1)社会保険

社会保険料は資格喪失日(退職日の翌日)を含む月の前月まで発生します。

 

もし月末(例 7月31日)に退職した場合は、資格喪失日は8月1日となるので、8月の前月である7月まで社会保険料が発生します。

 

月末の前(例 7月30日)に退職した場合は、資格喪失日は7月31日となるので、7月の前月である6月まで社会保険料が発生します。

 

よって月末退職は、2ヶ月分の社会保険料の徴収が必要となります。

(例 7月31日の退職→6月分と7月分の社会保険料を徴収)

(例 7月30日の退職→6月分の社会保険料を徴収)

 

ただし4月に入社して、その4月に退社したような場合は、例外的に1ヶ月分の保険料が発生します。

 

なお社会保険料には日割りという考え方はありません。

 

(2)雇用保険

雇用保険は原則通りの計算となります。

 

(3)源泉所得税

源泉所得税は原則通りの計算となります。

ただし一定の場合は年末調整を行います。

(参考)国税庁ホームページ

 

(4)住民税

1~5月の退職・・・5月までの未徴収分を一括して徴収します。

6~12月の退職・・・原則的には普通徴収への切り替えとなります。

 

3 退職金の計算

退職金を支給する場合は、「退職所得の受給に関する申告書」を提出してもらいます。

その届出書の提出により退職所得の計算を行います。

 

本来であればその申告書は松戸税務署や松戸市役所へ提出するものですが、会社で保管することになっています。

 

もし提出がない場合は支給額の20%+復興特別所得税を源泉徴収します。

住民税については、届出書の提出の有無にかかわらず、提出があったものとして退職所得の計算をします。

計算方法は国税庁ホームページをご参照下さい。

 

なお社会保険や労働保険は退職金の計算では対象外です。

 

4 その他の精算

定期代、各種保険(生命保険、中退共など)、財形等の精算をします。

 

5 退職後の社会保険事務

(1)社会保険

「社会保険資格喪失届」を松戸年金事務所(又は健康保険組合)へ提出します。

資格喪失日から5日以内に提出し、健康保険証を添付します。

 

(2)雇用保険

「雇用保険資格喪失届」をハローワーク松戸へ提出します。

退職日の翌日から10日以内に提出し、退職者が離職票を希望している場合は離職証明書を添付します。

 

その際は、併せて勤怠状況が分かるもの(出勤簿又はタイムカード等)、

給与の金額が分かるもの(賃金台帳又は給与明細等)、

退職理由が分かるもの(退職届等)も添付します。

 

ハローワーク松戸より離職証明書の控え、離職票-1(資格喪失確認通知書)、離職票-2の交付を受けます。

 

なお退職日に59歳以上である被保険者については、必ず離職証明書を添付します。

 

6 退職後の税務

(1)住民税

※退職した年の1月1日の退職者の住所を管轄する市区町村へ手続きします。

 

①特別徴収の対象者

◇給与支払報告書を提出してから4月1日までに退職した場合・・・

「給与支払報告書に係る給与所得者異動届出書」を4月15日までに松戸市役所へ提出します。

 

◇4月2日後に退職した場合・・・

「特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を翌月10日までに松戸市役所へ提出します。

 

②退職所得に対する住民税

退職金の支給時に徴収した退職所得に対する住民税がある場合は、翌月10日までに特別徴収の納入書に退職所得分を記入して、松戸市へ納付します。(給与分との合計額を納付する。)

 

なお印刷されている納入金額は二重線を引いて消します。

また裏面の納入申告書にも必要事項を記入します。

 

③納入内訳書

市区町村によっては納入内訳書が必要な場合もあります。

 

④退職所得の特別徴収票

役員であれば「退職所得の特別徴収票」を退職後1ヶ月以内に松戸市役所へ提出します。

 

⑤給与計算時に一括徴収した住民税

翌月10日までに一括納付します。

なお印刷されている納入金額は二重線を引いて消します。

 

(2)所得税

退職所得に対する所得税の納付は、給与所得に対する所得税と同じ扱いとなります。

 

7 退職後の本人への交付書類

「給与所得の源泉徴収票」

「退職所得の源泉徴収票」

「雇用保険資格喪失確認通知書」

「離職票-1」

「離職票-2」

のうち該当するものとなります。

 

8 時系列でのまとめ

 退職手続き

 退職前

 退職時

 退職直後

 退職後

 確認・回収   1      
 給与計算等    2 4    7
 退職金計算    3    7
 社会保険      5(1)  
 雇用保険    5(2)※可能なら署名をもらう  5(2)  7
 税務      6(1)①  6(1)②~⑤ 6(2)

9 法定調書等

(1)退職者の給与所得の源泉徴収票

給与の支給額が一定以上の場合に提出義務があります。

国税庁ホームページをご参照下さい。

 

(2)退職者の給与支払報告書

給与の支給額が30万円を超える場合は提出義務があります。

 

(3)退職所得の源泉徴収票(※役員の分のみ)

退職の翌年1月31日までに松戸税務署へ提出します。

 

従業員側の手続き

すぐに転職する場合

基本的には会社の指示に従えば問題ありません。

 

・年金手帳の提出
・雇用保険被保険者証の提出
・被扶養者の手続き(健康保険、国民年金第3号被保険者)

・扶養控除等申告書の記入

・給与所得の源泉徴収票の提出(年末調整時)

などの手続きが考えられます。

 

すぐに転職しない場合

(1)国民健康保険の加入
退職日の翌日から14日以内に松戸市役所へ届出ます。(退職日を証明する書類を添付)

被扶養者として会社の健康保険に加入していた配偶者なども届出が必要となります。

 

※資格喪失証明書は年金事務所へ行けば発行してもらえます。会社へは送られてきません。


(2)国民年金の加入
退職日の翌日から14日以内に松戸市役所へ届出ます。(年金手帳を添付)
失業を理由とする免除申請ができる可能性もあります。
また配偶者の届出が必要な場合もあるので注意が必要です。(第3号から第1号への切替え)


(3)雇用保険の受給
ハローワーク松戸へ必要書類を持参して手続きを進めます。

持参する書類については事前にご確認下さい。

 

税金の手続き

(1)住民税

6~12月に退職された方は原則的には普通徴収に切り替わっているはずなので、住民税の納付書が届くことになります。

よってその納付書に従って松戸市へ納付します。

 

また退職所得に対する住民税は確定申告で所得控除などがあったとしても取り戻すことはできず、退職時の徴収で完結します。

 

(2)所得税

転職した方は会社で年末調整を受けるので、会社の指示に従えば問題ありません。

転職していない方は、給与所得の源泉徴収票などを基に松戸税務署で確定申告をする必要があります。

 

また退職所得に対する所得税は、確定申告で所得控除などを受けることにより、ケースによりますが取り戻せる可能性はあります。

ただし基本的には申告不要です。