執筆者:税理士大柴真哉
金融機関選び
法人を前提として、特に創業時などで選ぶべき金融機関について説明しております。
金融機関の種類と特徴
①都市銀行
大都市に本店があり、全国の主要都市に支店を展開している銀行。
三菱UFJ銀行など。
②第一地方銀行・第二地方銀行
特定の都道府県や地域で活動している銀行。
第二地方銀行は第一地方銀行と所属している銀行協会が違うだけで、業務内容はほとんど同じです。
千葉銀行など。
③信用金庫・信用組合
一定の地域で活動する非営利の金融機関で、信用組合は信用金庫より小規模な場合が多いです。
東京ベイ信用金庫など。
④ネット専業銀行
GMOあおぞらネット銀行、PayPay銀行など。
⑤ゆうちょ銀行
【金融機関の区分と特徴】※一般的な見解であり内容を保証するものではございません。
| 区分 | 対象企業 | 口座開設 | 融資規模 | 融資利率 | IB利便性 |
|---|---|---|---|---|---|
| 都市銀行 | 大・中堅 | 難 | 大 | 低 | 充実 |
| 地方銀行 | 中堅・中小 | 中 | 中~大 | 低~中 | 標準 |
| 信金信組 | 中小 | 普通 | 小~中 | 中 | 基本 |
| ネット銀 | 中小 | 容易 | 小~中 | 中~ | 柔軟かつ無料 |
| ゆうちょ | 中小 | 中~ | 原則なし | 原則なし | 基本 |
※IB=インターネットバンキング
柏市の主な金融機関の所在地
代表的な支店を掲載しており、柏市の他の場所にも別の支店がある場合があります。
①都市銀行
・三井住友銀行(柏支店):千葉県柏市柏1-2-38
・三菱UFJ銀行(柏支店、柏中央支店):千葉県柏市柏1-2-5
・みずほ銀行(柏支店):千葉県柏市柏2-2-3
・りそな銀行(柏支店):千葉県柏市旭町1-5-1
②地方銀行・第二地方銀行
・千葉銀行(柏支店):千葉県柏市中央1-1-1
・京葉銀行(柏支店):千葉県柏市中央町1-1
・千葉興業銀行(柏支店):千葉県柏市柏1-2-37
・常陽銀行(柏支店):千葉県柏市柏1-2-37
・筑波銀行(北柏支店):千葉県柏市根戸483-177
・東日本銀行(柏支店):千葉県柏市末広町5-16
③信用金庫・信用組合
東京ベイ信用金庫(柏支店):千葉県柏市中央1-8-15
水戸信用金庫(柏支店): 千葉県柏市富里1-1-56
銚子商工信用組合(柏支店):千葉県柏市柏3-4-14
④ゆうちょ銀行(柏店):千葉県柏市東上町6-29
どの金融機関に口座を開設すべきか
まず基本的な方針として、開設する口座は少ない方が望ましいです。
多く口座を持ってしまうと、資金移動や残高管理など手間がかかるだけだからです。
もし口座が一つだけであればお金の流れも通帳を見るだけで把握できますし、資金移動もなく、会社にある全てのお金の残高確認も一瞬で終わります。
一つというのは極端ですが、5つも6つも開設する必要はないと言えます。
次に口座開設のしやすさも考慮に入れる必要があります。
一般的に都市銀行では新規開設の審査が厳しく、断られる事例も発生しています。
地元密着の信用金庫・信用組合は比較的開設しやすく、地方銀行はその中間となります。
一方でネット専業銀行は開設しやすく審査のスピードも早いので、創業時はまず初めに申し込む方が増えています。
それでも融資などを考えると店舗型の金融機関口座もぜひ持っておきたいところです。
具体的な例としてはネット専業銀行+信用金庫(もしくは地方銀行)という組み合わせが考えられます。
ネット専業銀行は、税金や社会保険の自動引き落としに対応している「GMOあおぞらネット銀行」をお勧めします。
信用金庫もしくは地方銀行については判断に迷いますが、ウェブサイトを見たり実際に開設の相談に行くなどして対応を見て決める方がいいと思います。
ただ会社を創業したばかりで売上規模も1億円以内を想定しているのであれば、信用金庫の方が金融機関との力関係を考えると合っているかもしれません。
ちなみに最近では三井住友銀行が中小企業向けにTrunkという法人口座を展開しており、少しずつ状況が変わってきてもいます。
口座開設の審査について
基本的に創業時の口座開設は、本当に事業の実態があるのか、という確認が行われます。
創業時でまだ取引を開始していない段階では資料が少ない場合もありますが、できるだけ用意した方が信用されやすいと言えます。
審査で理想的な状況はしっかりと事業内容を説明でき、その裏付けとなる資料があることです。
対面かオンラインでの面談が行われますが、まるで面接のようになる場合もあるかもしれません。
事業については何を聞かれても答えられるようにしておくことが大切です。
例として、
・あなた(代表)の経歴を説明してください。
・事業内容、目的を説明してください。
・あなたの会社の特徴は何ですか?
・主な収入はどこから入りますか?(取引先の概要)
・主な支払はどのようなものがありますか?
・初年度の計画や売上の見込みは立っていますか?
・海外取引はありますか?
・当口座について、主にどのように利用しますか?
・なぜ当口座に申し込まれましたか?
・マネーロンダリングについて理解していますか?
といった質問などが想定されます。
事業内容の説明についても例えば「コンサルティング業です」だけでなく、「飲食店向けに月額5万円でGoogle広告の運用代行を行い、顧客から毎月銀行振込で料金を受け取り、広告会社や外注先への支払いに使用します」くらいまで具体的に説明できる状態が理想です。
資料は取引先との間で交わした契約書、見積書などがあれば説得力がありますが、その他賃貸借契約書、ウェブサイト、サービスや商品の料金表、会社パンフレット、その他その事業ならではの資料があれば有効です。
また先にネット専業銀行で口座を開設済みで、実際に入出金があればその履歴も参考資料になります。
なお場合によっては事業計画書を要求される可能性もあります。
創業融資のご案内
融資のタイミング
融資について、お金が足りなくなってきたら金融機関から借りる、というイメージがあるかもしれませんが、経営における融資では逆の考えの方がうまくいきます。
それは黒字の時に融資を受けることです。
赤字の状態で申し込むと希望額まで貸してもらえず、利率も高くなる可能性があります。
余裕がある内に借りておくと、さらに余裕が生まれ、次への投資が加速して結果的に事業が拡大していく会社も見てきました。
黒字であれば融資の審査は通りやすいので、狙っておきたいタイミングとなります。
さらにもう一つ借りやすいタイミングがありますが、それは創業時です。
創業時はまだ実績がありませんが、かえって赤字の実績を出してしまうと不利になってしまいます。
まだどうなるか分からない段階では、見込み、予測で審査されますので、逆に借りやすいチャンスとも言えます。
普通は創業時は様子を見て、赤字になってきたら慌てて融資を申し込みます。
しかしうまくいく会社は逆をやっています。
創業時に借りておき、余裕ある資金を運用し、黒字になった際にも融資を申し込みます。
そしてまた余裕ある資金を運用するという好循環のループに入っていきます。
それほど多額でなくてもいいので、返済の実績を作る意味でも創業融資を考えてはいかがでしょうか。
融資の種類
(1)保証付き融資
普通の金融機関からの融資ですが、信用保証協会に保証料を支払い、保証してもらうことで借りやすくなる融資です。
保証料がかかるため負担は増えます。
なお地方自治体がサポートする制度融資もありますが、枠組みとしては保証付き融資となります。
(2)プロパー融資
信用保証協会の保証を付けずに、直接金融機関から借りる融資です。
金融機関にとってはリスクがあるため、財務内容などが良好な優良会社が借りられる場合が多いです。
保証料がないため負担も少なく、利率も交渉できる余地があります。
(3)日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫は政府が100%出資する融資に特化した金融機関です。
よって口座の開設もありません。
中小企業、特に小規模な事業者を融資で支える目的があります。
ただし民間の金融機関を圧迫しないように、あくまでも補完的であるとの立場でいます。
(4)ノンバンク融資
ノンバンクのイメージは消費者金融のビジネス版と考えると分かりやすいかと思います。
金利が高く、ノンバンクから融資を受けていると危ない会社として、他の金融機関からの評価が下がります。
お勧めはしておりません。
(5)オンライン融資
文字通りオンラインだけで融資を受けられる仕組みで、最近では大手銀行も参入してきています。
通常の融資とノンバンク融資の中間的な位置でしょうか。
審査は早いですが金利が高めになるので、一時的な利用にとどめておいた方がいいと言えます。
(6)その他短期の手形貸付、当座貸越などがあります。
お勧めの創業融資
前述の通り、創業時こそ融資を受けておいた方がいいと考えられます。
具体的には日本政策金融公庫(創業融資)からの融資をお勧めします。
保証料、保証人、担保が不要で、公庫も創業融資に力を入れています。
融資に慣れておくという意味でも経験しておいて損はありません。
オンラインでも申し込みが可能です。
ちなみに公庫の創業融資では創業計画書というフォーマットが用意されています。
別途、事業計画書を用意する必要はありません。
ただ創業計画書の数字について、根拠となる資料があると説得力が増すので、用意できるのであれば揃えておいた方がいいです。
