扶養控除等申告書の書き方

これより扶養控除等申告書の書き方を解説していきます。

 

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扶養控除等申告書

保険料控除等申告書

 

の4つのページで説明しています。

 

なお国税庁の電話相談センターでは、無料かつ匿名で国税や年末調整に関する質問ができます。

 

全体像

こちらが扶養控除等申告書の記載例となります。

画像をクリックすると大きくなるので、全体像をご確認下さい。

(国税庁作成「年末調整のしかた」より)

 

マイナンバーについて

平成28年分の扶養控除等申告書よりマイナンバー(個人番号)を記載する欄が追加されています。

マイナンバーの記載については会社の指示に従って下さい。

所轄税務署長等

税務署長の欄は一般的には本社を所轄する税務署名を書きます。
こちらで調べられます。


(正確には年末調整等給与支払いの事務処理をする所在地で判断します。会社から指示を受けた方がいいと思います。)

市区町村長の欄は自分が居住している市区町村を書きます。

 

なお年末に引っ越しをする場合も考えられますが、すぐに会社等へ報告しましょう。

給与の支払者等

給与の支払者の名称や所在地は特に問題ないと思います。

あなたの氏名等

「あなたの氏名等」を書く欄も自分のことなので問題ないと思います。

なお世帯主とその続柄を書く欄がありますが、ここでの続柄は自分からみた世帯主との続柄を書きます。

例えば自分が25才のサラリーマンで、実家暮らし、両親と同居という状態であれば、世帯主は通常父親ですから、「父」と書きます。「子」ではありません。
 
この話しはネット上でも意見が別れています。

ただ正式な回答ではありませんが国税庁に確認済みです。

なお法律上は所得税法施行規則73条でその他参考事項という扱いになっていて、細かいことは規定されていません。

間違って書いたとしても問題ないでしょう。

確定申告書では世帯主からみた自分の続柄(上記の例では「子」)を書くので、逆になります。

ややこしいことは確かです。

従たる給与についての扶養控除等申告書の提出

従たる給与についての扶養控除等申告書、とは例えば週末に副業としてアルバイトをしている場合などに、その副業の勤務先に提出する可能性がある申告書です。

ただし誰でも提出できるわけではありません。

扶養親族が多いのにもかかわらず、給与がかなり低くて週末にアルバイトをしている場合などが該当すると思います。

所得の金額を見積り計算して一定の場合に該当し、この申告書を提出しておくと毎月の給与から源泉徴収される所得税(副業先の源泉所得税)が減ることになります。

実際はあまり見かけません。多くの方は無記入となるでしょう。

A欄・B欄 所得の見積額


まず始めに所得について、知っておく必要があります。

 

ここでの所得とは合計所得金額のことであり、このA欄、B欄に「控除対象配偶者」や「控除対象扶養親族」を記入する可能性があるのはその金額が38万円以下の場合です。


 「配偶者」や「16才以上の扶養親族」で、合計所得金額が38万円を超える場合はこのA欄、B欄に何も記入しません。

この合計所得金額が複雑なので、あらゆるケースを載せることは不可能ですが、38万円以下となるよくあるパターンを例示します。

◇収入が給与のみで年103万円以下の方
 ・・・給与収入―65万円で計算した金額

 

(例)妻のパート収入が97万円→ 97-65=32(32万円)

 
◇65才以上で収入が公的年金のみで年158万円以下の方
 ・・・年金収入―120万円で計算した金額

 

(例)65才以上の父の年金収入が140万円→ 140-120=20(20万円)
 
◇65才未満で収入が公的年金のみで年108万円以下の方
 ・・・年金収入―70万円で計算した金額

 

(例)65才未満の母の年金収入が60万円→ 60-70=△10万円(0円)

 

 

※例えば給与収入が200万円の方の所得の金額は、

 2,000,000-780,000=1,220,000 となります。

 

 上記の65万円が絶対ではないのでお気をつけ下さい。年金についても同様です。

A欄・B欄 配偶者特別控除の可能性

以上の(例)ようなケースであれば計算できますが、中には所得の金額を簡単に計算できない方もいらっしゃるかもしれません。

 

ケースバイケースで判断することになる場合は、会社等にご相談して下さい。

なお合計所得金額が38万円を超えて控除対象配偶者に該当しなかったとしても、「配偶者特別控除」の適用が受けられる可能性が残っているので、詳しくは保険料控除等申告書のページをご覧下さい。

A欄・B欄 見積りについて

ただしここで気をつけるべきことがあります。 

 

扶養控除等申告書の年度を確認してみて下さい。

 

今年のものであれば、今年の実績の見積りを書くことになるので何とか分かると思います。

 

しかし来年のものであれば、来年の1年間の所得の見積り額を記入することになります。

 

もちろん来年のことは分かるはずがありません。

 

そこで今年の実績に基いて、今年の所得を書いておく方法が一般的です。

 

ただ明らかに来年の所得がかなり大きく増える場合は、来年は控除が受けられなくなるので、A欄又はB欄に何も書かないことになります。

 

なお今年の扶養控除等申告書(昨年の年末調整時に提出したもの)についても、正しい所得の見積額が記入されているか、ご自分でも再度確認をされた方がいいと思います。

 

もし今年は配偶者控除又は扶養控除が受けられない(所得が38万円を超えている等)のに、昨年の年末調整時に記入したままになっているのであれば、訂正する必要があります。

 

つまり扶養に関する情報が変わっている場合は、念のため会社に確認をしておくと間違いがなくなります。

A欄・B欄 所得の見積額が違っていたら

もし所得の見積額が間違っていて、控除対象配偶者に該当しないのに配偶者控除を適用していたらどうなるのでしょうか?

基本的には市区町村は所得を把握しているので、税務署に通知が行き、会社に是正を求める連絡がきます。

しかも2~3年後に連絡がくることもあるので、もし間違った申告をしていたら数年分まとめて修正されてしまう場合もあります。

さらに所得税の支払いは会社に求められるので、迷惑がかかりますから正しく申告しましょう。
(ただし結局は給与から引かれます。)

申告の後で所得の金額が変わりそうであれば、会社に相談して下さい。

A欄・B欄 異動月日及び事由

この欄は年の途中で変更事項があった場合に記入します。

書き方はそれほど気にする必要はありません。

内容が分かればいいので、「平成◯◯年◯月◯日 就職により除外」などと書けばかまいません。

A欄・B欄 判定の日付けについて

控除対象扶養親族などの対象となる生年月日が1日ズレているように思えます。

 

例えば「昭和◯◯年1月1日以前生」、「平成◯年1月2日生~平成◯年1月1日生」

 

と指示がされています。

 

これが、「昭和◯◯年12月31日以前生」、「平成◯年1月1日生~平成◯年12月31日生」となっていれば、分かりやすいかもしれません。

 

しかし年齢に関する法律や民法などの規定により、実は前日に年齢が増えることになっています。

 

これは「4月1日生まれの子」と「3月31日生まれの子」が同じ学年である理由と同じです。

 

よって「平成◯年1月1日以前生」と指示があって、該当する1月1日生まれの方は、そのまま素直に1月1日生まれとして記入すればいいことになります。

 

ただし年が増えるのは前日の12月31日がちょうど終わる時、という法律上の解釈になっています。

 

その12月31日の状態で、扶養控除などの判定をすることになります。

 

なお年の途中でお亡くなりになられた場合は、その亡くなられた日で判定します。

A欄・B欄 非居住者である親族

「非居住者である親族」欄は、控除対象配偶者、控除対象扶養親族が外国に居住している場合に○を付けます。

例えば1年以上留学している大学生の子を扶養親族とする場合も該当します。

(1年未満であれば国内の扶養親族と同じ扱いとなります。)


「生計を一にする事実」欄は、その親族へ国外送金した金額を書きます。

扶養控除等申告書の提出時期と年末調整の時期はおよそ1年ずれていますから、ここは昨年提出した扶養控除等申告書に実際に送金した金額を書くことになります。


なお親族を証明する書類と、送金を証明する書類の提出も必要とされるので会社の指示に従って下さい。

A欄 控除対象配偶者

所得の計算ができたら、該当者を記入していきます。

まずは控除対象配偶者です。

しかし前提として生計を一にしていなければ控除対象配偶者に該当しません。

同じ住所であれば通常は生計を一にすることになります。

単身赴任をしていても、仕送りで養っていれば生計を一にすると考えます。

 

(参考)配偶者控除 国税庁ホームページ

A欄 老人控除対象配偶者

控除対象配偶者に該当し、かつ申告書に記載してある「昭◯◯.1.1以前生」に該当する方は老人控除対象配偶者となります。(70才以上)

この場合は◯をつけておきます。

B欄 控除対象扶養親族

扶養控除は16才以上が対象ですが、「平◯1.1以前生」と指定されているので、生年月日で判断できるはずです。
 
老人扶養親族や特定扶養親族も「平◯1.2生~平◯1.1生」などと指定されているので判断できると思います。

老人扶養親族は70才以上を、特定扶養親族は19歳以上23歳未満を対象としています。
 
同居老親等については次で解説しますが、同居老親等に該当せずに老人扶養親族であれば、「その他」に◯をつけます。

 

老人扶養親族にも該当しない場合は、単なる扶養親族となるので何もしるしを付けません。
   
またそもそも扶養控除とは、親族で生計を一にしていることが前提なのでご確認下さい。

 

もし親と同じ住所でも、二世帯住宅などで物理的にも完全に生活を別にしている場合は、その親と生計を一にするとは言えません。


ただ二世帯住宅であっても、サザエさん一家のような生活様式であれば、生計を一にすると言えます。

 

同じ住所であれば生計を一にすると言える場合が多いのですが、結局は実態で判断します。

 

親が老人ホームに入居している場合は、利用料の負担などの状態から総合的に判断します。

全額自分が支払っていれば、当然扶養していると言えるでしょう。

学生については、例えば学生の子どもに仕送りして養っている場合も生計を一にすると言えます。

 

(参考)扶養控除 国税庁ホームページ

B欄 同居老親等

同居老親等とは、まず老人扶養親族(70才以上、所得38万円以下、同一生計)に該当することが前提です。

その上で、自分又は配偶者の親で、自分又は配偶者と同居していれば、同居老親等に該当します。

ちなみにその親と同居していたけれど、今は長期入院のため病院で生活をしている場合も同居と考えます。

また同居している自分又は配偶者の祖父・祖母でも該当します。

よって該当すれば「同居老親等」に◯をつけ、該当しなくても老人扶養親族であれば「その他」に◯をつけます。

同居老親等の同居とは文字通り同居であって、別居していても仕送りをしていれば該当するという考え方はありません。

なお老人扶養親族は必ずしも同居をしていなくても生計を一にしていれば該当するので、混乱しないようご注意下さい。

C欄 障害者(自分が障害者の場合)

自分が障害者であれば、C欄の「1 障害者」の数字に◯をつけます。

そしてその右に表がありますが、まずは「本人」のところの縦の欄に注目します。

次に特別障害者に該当すれば「特別障害者」の欄に◯をつけ、それ以外であれば「一般の障害者」の欄に◯をつけます。


なお障害者や特別障害者の定義についてはこちらをご参照下さい。

また右側に「左記の内容」という空欄があります。

ここへは障害者手帳の種類、交付年月日、障害の等級を記載します。

C欄 障害者(控除対象配偶者が障害者の場合)

控除対象配偶者が障害者であれば、C欄の「1 障害者」の数字に◯をつけます。

そしてその右に表がありますが、まずは「控除対象配偶者」のところの縦の欄に注目します。

次に特別障害者に該当し、さらに同居特別障害者に該当すれば同居特別障害者の欄に◯をつけ、それ以外の特別障害者であれば特別障害者の欄に◯をつけます。

特別障害者に該当しなければ一般の障害者の欄に◯をつけます。

障害者や特別障害者の定義についてはこちらをご参照下さい。

同居特別障害者の同居とは必ずしも自分と同居をしている必要はなく、範囲が少し広いのでご注意下さい。

①自分と同居
②自分の配偶者と同居
③自分と生計を一にする親族との同居
が該当します。

ただし今は配偶者の話しなので②は関係ありません。

③は自分は単身赴任をしていて、仕送りをして養っている息子と、配偶者が同居している場合などが該当します。
その配偶者が一人暮らしでは同居に該当しません。

C欄 障害者(控除対象配偶者が障害者の場合その2)

上記の説明で、障害者である控除対象配偶者について◯をつけられたと思います。

その次は右側の「左記の内容」という欄に記入します。

ここへは障害者手帳の種類、交付年月日、障害の等級、控除対象配偶者の氏名、特別障害者に該当する場合は「同居している・していない」を記入します。

この場合の同居とは上記の説明の①~③のことなので、できれば同居している人の氏名も書いておきましょう。

なお、例えば妻が控除対象配偶者で障害者であれば、養っている夫は配偶者控除と障害者控除を共に受けられます。

C欄 障害者(扶養親族が障害者の場合)

扶養親族が障害者の場合も障害者控除の適用が受けられますが、16才未満の扶養親族でも障害者控除の適用は受けられます。

ややこしいのですが、

16才未満 → 児童手当 + 障害者控除
16才以上 → 扶養控除 + 障害者控除

となり、16才未満は扶養控除の代わりに児童手当の支給となっているのでご注意下さい。

なお上記「控除対象配偶者が障害者の場合」と「控除対象配偶者が障害者の場合その2」も併せてご参照下さい。

C欄の表の扶養親族のところを縦に見て、該当する部分に◯をつけます。

そして該当する方の人数も書いておきます。

C欄 寡婦

寡婦に該当すれば、寡婦控除が受けられます。

 

ただし寡婦に該当する方は、「特別の寡婦」に該当する可能性もあるので、下記「C欄 特別の寡婦」の説明も併せてご参照下さい。

 
寡婦とは

① 扶養している者がいる場合

・夫と死別又は離婚後に婚姻していないこと、又は一定期間夫の生死が不明であること

・扶養親族又は生計を一にする子がいること(子は総所得金額等が38万円以下(給与のみであれば年収103万円以下)で他の者の所得控除の対象となっていないこと)

② ①に該当しなかった場合

・夫と死別後に婚姻していないこと、又は一定期間夫の生死が不明であること

・自分の合計所得金額が500万円以下であること(給与のみであれば年収が6,888,889円以下)
 
が要件となります。

 

(参考)寡婦控除 国税庁ホームページ

C欄 寡婦(生死が不明の期間)

上記で一定期間生死が不明という記載がありました。

その詳細は、

①船舶、航空機の事故は3ヶ月

②災害などの災難は1年

③その他は3年

となります。

C欄 特別の寡婦

特別の寡婦とは、まず寡婦に該当する方で、扶養親族である子がいて、自分の合計所得金額が500万円以下(給与のみであれば年収が6,888,889円以下)の場合に該当します。
 
特別の寡婦に該当すれば、「3 特別の寡婦」に◯を付けます。

 

2の「寡婦」のところは無印でかまいません。

 

なお特定の寡婦という言い方もあります。

C欄 寡婦(左記の内容)

「左記の内容」には、

①死別、離婚、生死不明の該当する状況

②生計を一にする子の氏名、所得の見積額

③自分の所得の見積額(上記「C 寡婦」の①「扶養している者がいる場合」に該当する場合は必要ありません。)

を記入します。
  
※所得については上記「A欄 B欄 所得の見積額」をご参照下さい。

C欄 寡夫

寡夫とは、

・妻と死別又は離婚後に婚姻していないこと、又は一定期間妻の生死が不明であること

・生計を一にする子がいること(子は総所得金額等が38万円以下で他の者の所得控除の対象となっていないこと)

・自分の合計所得金額が500万円以下であること(給与のみであれば年収が6,888,889円以下)
 
 の3つの要件を満たした方が該当します。

 

なお「左記の内容」については、上記「C欄 寡婦(左記の内容)」をご参照下さい。

 

(参考)寡夫控除 国税庁ホームページ

C欄 勤労学生

勤労学生とは、

・学生、生徒であること

・給与など勤労による収入があること
 
・合計所得金額が65万円以下(給与のみであれば年収130万円以下)で、かつ勤労以外の所得(利益)が10万円以下であること

の3つの要件を満たす方が該当します。

該当すればC欄の5に◯をつけます。

この場合、高校や大学に通っている方であれば証明書は必要ありませんが、専門学校などに通っている方は証明書が必要になります。
 
年末調整の添付書類も併せてご参照下さい。

 

(参考)勤労学生控除 国税庁ホームページ

C欄 異動年月日及び事由

この欄は年の途中で変更事項があった場合に記入します。

書き方はそれほど気にする必要はありません。

内容が分かればいいので、「平成◯◯年◯月◯日 離婚により寡婦に該当」などと書けばかまいません。

D欄 他の所得者が控除を受ける扶養親族等

この欄で書くべきことは、要するに控除を受けられるのは一人だけ、という趣旨を理解すれば直ぐに分かります。

 

例えば共働きの夫婦がいるとします。

 

またその夫婦に子が一人いて、20歳の大学生だとします。

 

この場合その子について扶養控除を受けられるのは、父か母のどちらか一方です。

 

2人同時に受けることはできません。

 

もし父が扶養控除を受けるのであれば、母の扶養控除等申告書には、このD欄にその情報を書けばいいことになります。

 

まず始めに子の情報を書き、「控除を受ける他の所得者」の欄には父の情報を書きます。

 

この場合では、その大学生の子は母の控除対象扶養親族にはならないので、母の扶養控除等申告書のB欄は何も書かないことになります。

 

異動月日及び事由までは特に書かなくても問題はないと思います。

住民税に関する事項

ここは16才未満の子について記入する欄ですが、「平成◯.1.2以後生」と指定があるので該当するか確認をして記入します。

この項目は住民税の均等割りの非課税の判定等に使用します。